ダ−ヴィッド・ビェルクヘイデンの日本プライド日記 2005年12月編

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日本のみなさんお元気ですか、ダーヴィッドです。2005年12月31日プライド・ショックウェイヴに行ってきました。今回は裏方に回れてその分たのしかったでした。ハナシ聞いてくださいね。

1日目
まずはクリスマス明けの12月27日、オレは親友のステファンとスエーデンを出発し、年末の帰省客で満席の10時間フライトを経て、翌日朝10時成田に到着しました。その後、プライド指定の都内のホテルでBTTと合流しました。え?なぜBTTなのかって?オレらBJJヒルティジムはBTTの提携ジムですぞ。ヒマなかたはBTTのHPを御覧になってください。ヒルティの名前載ってます。オレは年に2回はリオのBTTジムを訪れてスパーリングをしています。当然マリオやブスタやアローナとはトモダチというワケです。

BTTはアローナ、ブスタ、マリオ、パウロ・フィリオ、ブスタのBOXコーチのクラウディオ、レスリングコーチのダレルゴーラー、ダニロが来てました。午後からみんなで竹橋のプライドジムへ練習しに出かけました。賢いブスタは軽くウオーミングアップ程度に流してましたが、マリオとアローナは3時間もやりすぎじゃないかと心配するほど高温度で飛ばしてました。ご存知の方も多いとおもいますが、BTTとシュートボクセは犬猿の仲。よってシウバと対戦するアローナの思い入れ様は相当なモノがあります。ブスタも宿敵ダンヘンとの試合はフツーの試合以上の思い入れがあります。アローナはオレの憧れの選手であり師匠です。リオにいくと親切に稽古をつけてくれます。オレがアブダビチャンプのアローナと実際スパーするとどうなるかというと、レスリングテクはオレ青帯,アローナ黒帯ぐらいの大差で、オレよりチカラは2倍以上強く、その上速い。打撃はちょっと難ありですが、キック力は強いものがあります。ヒルティでは誰からも極められないオレですが、アローナにかかると5分で2本も極められたことがあります。アローナはいいヒザも出せます。その日はこれでオシマイ。みんなでホテル帰ってメシ食っておとなしく就寝。

2日目
この日は試合2日前です。13時に日本テレビへ選手集合して、プレスカンファレンスとルールミーティング。プライドセレブのミルコさんと小川さんだけ特別扱いの欠席です。プライドテーマソングで選手入場。選手ひとりずつプレス向きの簡単な自己紹介とQ&Aが続きます。みんなリラックスしてるなか、1名ヴァンダレイ選手だけが緊張してました。ああ見えてけっこう繊細は人なのかも。アレクサンダーがシェイプされててビックリ。それとショーグンは想像以上にデカいです、105キロはあるでしょね。アレはヘビー級転向くさいです。それとPヒーゾがいましたね、中村のコーチなんだとか。ハリトノフ戦は10日前のショートノーティスだったから負けたということでした。んで、やっぱり異常にデカイのがジャイアント・シウバ。常識ある態度で紳士でした。英語もきちんと話すし、身のほどをわきまえている風でしたね。来日はファーストクラスの3個分シートに座って飛んできたそうです。

それからフォトセッション。ポスター用とか海外プレス用とか国内プレス用、個別のプレス用インタビューとかもうエンエンと続きます。人気選手であればあるほど仕事は多く、かなりな忍耐が要求される様子。夕方過ぎやっと開放されてBTT連中とジムへ。ここで桜井マッハ速人選手を発見。マット・ヒュームと軽くスパーしてました。想像に反してかなり小さかったですね。ええ、アイサツしてもシカトされました。カレ、ヒザ故障してるように見えました。マッハ選手の全盛期はすごいモノがありましたよね。夕食はホテルの近所でピザとパスタ。え?日本のピザの味?味は上等ウマーです。スエーデンなんかよりはるかにマシです。日本のピザなら毎日食えます!日本のピザはうまい!

3日目
ここで計量の日。アローナとヴァンダレイは余裕の1キロマイナスでパス。ムリロは今回7キロの減量で、カレも無事パス。計量終わってからみんなで速攻イタ飯屋へ。アローナとムリロはそれぞれパスタ2皿サブミットしてました。ホテルに戻ったらここでまたもやプレス用質疑応答が待ってました。試合もたいへんだけど、これもほんとたいへんだよな。来るヤツ来るヤツ、みんな同じような質問ばかりで、マジ同情します。何回も同じこと答えて、でも怒れない。これ終わったらまたもや食事へ。おいおいおい、、、で、パスタ2杯お代わりするアローナとブスタ。こうして1グラムでも体重増やすんですわ。二人とも食ったら部屋に戻って寝てました。オレはステファンとふたりで東京の町をお散歩。銀座、六本木あたりをショッピング。クツと服買ったり。ナイキはスエーデンよりちょっとだけ安い。でも種類がバカ多くて買い物は楽しい。

4日目
試合前日。ちょっと緊張してきたかも。みんな口数はやや少なめになる。どうでも今回のホテル、朝食がまず過ぎ!朝からスープとサラダなんて変。あとオレのアレルギーなタマゴがいっぱい出ている。よって多くの選手は外で朝食をとるのだった。マークハントはかわいい。サウスパークみたいだ。相変わらずのサーフパンツにゾウリ履きだが、毛糸の帽子とブ厚い手袋をはめており、上半身が真冬対策で下半身が真夏対策している壊れたホームレスみたいだ。聞いたら案の定、アタマと手だけとっても冷えるそうです。めっちゃいいヤツで、人懐こくて、いつもニコニコしている。BTTの連中にも、「メシ行くの?オレも、オレも連れてってくれい!」と走ってついてくる。どこでもみんなの人気モノでした。ああ、そういえばズールいましたね。ズールもなぜかBTT軍団と一緒のホテルなんです。ブラジルはひとまとめになったらしい。とんでもなくデカいワカモノです。コイツのイビキがひどくてひどくて、猛者BTT全員をタップアウトしてました。ズールのパパ?いましたね〜、クレイジーなヒト。ああやってしょっちゅう顔を変形させて、会うヒト誰にでもやってました。この日、オレはアローナからセコンドに参加するよう言われた。やったア!オレって幸せモノね!あの花道をアローナの後ろから歩く!考えただけでコーフンするゥ!

5日目試合当日
ついにきました。朝からそわそわ。10時半にホテルからバスが出る。おお!エイネモがのってきた。プライドとの契約が済んでいよいよ2006年から参戦だ。カレにはぜったいがんばってもらいたい。オレも練習に協力したいと伝える。いろいろ話し込む。バスが到着して埼玉スーパーアリーナの選手控え室へ入る。全員にパスが渡され、俺たちはBTTTシャツに着替える。試合までまだまだ時間はある。ムリロは静かにヨガを始める。オレとステファンはオヤツを持ってそっと控え室を出る。アリーナの上段に座って進行するリハーサルを眺める。オレは2回目だけど、マジででかいアリーナだよ。ほんと、たいへんだよな、こういう仕事は。リハーサルは選手の代わりに日本人スタッフがはいってシナリオどうりの展開が練習される。これが2・3時間続いただろうか。覚えてます?本番で4個のカーテンのうちの2個が下りず、小さいスタッフが必死でカーテンにしがみついて下ろそうとしてました。2代目のバスでアローナが到着。ウォームアップを始める。ズールだけマットの上でグーグー寝てました。選手控え室はしだいにピリピリとした空気に包まれていきます。一瞬モニターに登場したインタビュー中のシウバに、アローナは飛び掛り、画面に10センチぐらいまで顔を近づけてウーウー唸り始めて戦闘態勢・プルプルとトンプルさん状態になっている。ううむ、オレも師匠ぐらい気合をいれるべきなのかと反省する。アローナの後ろから花道を歩くのは喜びより緊張って感じで、なんとも最高な気持ちでした。

第1試合カネコ対クレージーホース
フーン、あのひと俳優なの?キップ売るためのセールス要員ね。クレージーH、しっかり手抜きしてましたね。なんともお疲れな試合。

第2試合コンドウ対中村
近藤選手が勝ってたはずなのに判定で中村選手の勝ちとは。

第3試合トンプル対ジャイアントシルバ
もうプロレスショウでした。あれで大金はいるんだからうらやましいなあ。これもセールス試合。

第4試合菊田対柔道家
実力差が大きいグラップリング試合。

第5試合エメリヤエンコ対ナツラ
ナツラのガス欠ぶりは前のミノタウロで2回目だよ。もう年なの、この選手は?試合以前にダメだわ、これじゃ。アレックスの出した変形強引ギロチンはアニキもやってるよね。

第6試合フェードル対ズル
やぱ秒殺でした。ワンツーの左フックね。

第7試合ダンヘン対ブスタ
なに、この判定は?見ればわかるだろうけど、12分はブスタがテイクダウン、パンチ、頭部へのサッカーキックでリード。ダンヘンのリードは3分だけだったはず。これってさあ、アメリカPPVのお金が欲しいんだろうとフトおもったりして。

第8試合五味対マッハ
五味選手はますます強くなってますね。オレはてっきりイーブンな試合になると想像してました。五味選手の強さにビックリ。Bマウントからのパウンドが効いたみたいですね。ハンセンと五味の再戦みたいですね。

第9試合サク対ミノワ
ミノワ選手がタップしないためとんでもないキムラになってました。試合はサクがドミネイト。もう黒帯と青帯ぐらい差がある試合。

第10試合ミルコ対ハント
これが最高の試合だったでしょう。ハント最高!ミルコずっと後ろに下がりまくってました。ハイキックも8発ぐらい出してましたが、あれだけ当てて効果ないとほとほとイヤになるはず。ミルコはグランドにいかない計算で滑らないようクツはいたんでしょうね。フェードル対ハントなんかみたいです。

第11試合ヴァンダレイ対アローナ
なにこの判定は?アローナの勝ちじゃない?1RDはほぼイーブン。アローナへのイエローカードはなに?ちゃんと下から殴ってたでしょ。2RDはテイクダウン、パスしてサイドからヒザカかちこんで、アローナのラウンド。3RDアローナは残り30秒での引き込み以外は全面ドミネイト。シウバのイエローカードも加わってアローナのラウンド。この内容でシウバが勝つなんてシウバは日本人になったの?

第12試合小川対ヨシダ
トホホ、、、これが世界のプライドのメインの試合か?ハッスル、ハッスルっていったいなんなの?はいはい、キップ売るためにはセールスが大切ですよね。2名はこれで大金ゲットなんだろう。いいなぁ、有名人は。

試合終了後はBTT、怒りとともにはダークモードになってました。練習のすべてをこの試合に捧げたブスタとアローナは最も怒ってました。しかしこの疑惑の判定に一番怒ってキーキーしていたのは、BTT専属?日本人世話役のオバサンでした。アローナとシウバは再戦してもらいたいです。今度はアローナ、判定でなくきっちりケリをつけるべきでしょう。試合後はさっさと荷物まとめて1時間ほどでバスが出発。
ホテルに戻ってシャワーしてから、外に出ました。この日はニューイヤーズイブ。んんんん、どこもほとんで締まっているではないか。聞いてはいたけどマジで誰もいない。巨大な東京の街がカラッポになってブキミに静まり返っている。道路には竹と松が一緒になったヘンな飾り物があるだけで、あとはなんにもない。こんな日本は初めてだ。みんなと六本木にあるブラジル系クラブへ出かける。小さいクラブで、ポルトガル語ベラベラな日本人がいっぱいいる妙な店だった。除夜の鐘はみんなでブスタの部屋に集合してビールで乾杯。明けた元旦の日は、BTT全員昼過ぎまで寝倒した。一日まったりして次の日にはBTTは全員帰国の途についたのでした。みなさんお疲れ様でした。

オレは重度のタマゴアレルギーなので日本食に関して、日本語の読めない自分は細心の注意を払う。食ったら最後、四転八倒な地獄が待っているので、興味半分で食うような冒険は出来ない。それと豚肉は一切食べない。なんとなく日本食はタマゴと豚肉が多用されているような気がするが気のせいだろうか。言葉が通じなくて間違ってタマゴたべそうで怖いから食える範囲はけっこう少ないんです。今回のお気に入りな日本食は、AM/PMのボロネーズ。先回来た時、ヨセフが気にいって、今回ステファンもハマった。めっちゃウマ〜。ビックリな食べ物は鳥の激辛。二人で入ったヤキニク屋で、オーダーしたらものすごい辛さだった。オレは辛いのは少し食べられるがステファンはめっぽう弱い、ほとんど白帯。パクパクと食べたが最後、口の中が炎に包まれ、涙ボーダ、意識さえ遠のく。あまりの辛さにステファンの瞳孔は開き、会話は不可能。しきりにお絞りで滴り流れる汗をぬぐいながら、たまりかねてついにお絞りで舌を拭く始末!!はははは、、、お気の毒〜、拭いてもダメだろうが〜〜。ステファン、生きててアレ以上辛いもんは食ったことなかったはず。ヤキニク屋おそるべし!フツー試合のために来日してると、全員緊張してるし、人数も多いし、遠出して上手いもの食いになんていかないんだよ。毎食、近場で済ませる。みんな忙しいから、試合翌日とかに帰国なんて選手がほとんどだし。オレ的今回のお気に入りはソフトドリンク”セノビ”。おいしいんだよ、これが。どこでもコレ一辺倒、何本飲んだか不明。帰国の日に販売機をカラにしてまで買占めました。ステファンの一番ビックリは熱いコーヒー缶が出てくる自販機。アチチチ!!

感想
プライドって巨大なビジネスなんですね。今回BTTのセコンドにはいってそういう一端をちょこっと垣間見ました。裏じゃいろいろあります。これはBTTだけじゃないでしょうけどね。イベントを動かすガソリンはキャッシュです。世界最高レベルの選手の闘いが見られる一方で、キップを売るため俳優呼んだり、色物対決させたり、プライドは、近くで見たらけっこういろいろありました。小川対吉田って日本人にあそこまで人気があるなんて驚きだし、まあいろいろとプライドの”営業”を目の当たりにした俺です。そういうようなビジネスの勉強をした今回の日本滞在でした。